福岡地方裁判所 昭和52年(わ)886号 決定 1978年10月23日
本店の所在地
北九州市八幡東区中央二丁目二四番三号
法人の名称
八幡工事株式会社
代表者の氏名
花田次雄
右被告人八幡工事株式会社に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件公訴はこれを棄却する。
理由
本件公訴事実の要旨は、
「被告人八幡工事株式会社は、北九州市八幡東区中央二丁目二四番三号に本店を置き、製缶機械の製作、修理等の事業を営むものであるが、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括している花田次雄において、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て
第一 同会社の昭和四八年一〇月一日から同四九年九月三〇日までの事業年度において、同会社の所得金額は一億四、一一六万四、六一六円で、これに対する法人税額は五、五一四万四〇〇円であるのに、公表経理上架空の外注費等を計上するなどの行為により所得の一部を秘匿したうえ、同四九年一一月三〇日、同区西本町四丁目一四番一六号所在の八幡税務署において、同税務署長に対し、同会社の所得金額は一、八一八万一、四九一円で、これに対する法人税額は六〇一万六、二〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税四、九一二万四、二〇〇円を免れ、
第二 同会社の昭和四九年一〇月一日から同五〇年九月三〇日までの事業年度において、同会社の所得金額は三、四五〇万七、四七五円で、これに対する法人税額は一、二〇一万二、一〇〇円であるのに、前同様の行為により所得の一部を秘匿したうえ、同五〇年一二月一日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、同会社の所得金額は一、八五八万四、三〇二円で、これに対する法人税額は五六八万四、六〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税六三二万七、五〇〇円を免れ
たものである。」
というのであるが、福岡法務局八幡出張所登記官山中秀雄認証にかかる新日本工業株式会社の登記簿謄本並びに同登記官認証にかかる八幡工事株式会社の閉鎖登記簿謄本の各記載によれば、被告会社は、昭和五三年二月八日北九州市八幡東区中央二丁目二四番三号日本工業株式会社に合併し、合併後存続する右新日本工業株式会社において、即日その旨の登記を了したものであることが明らかであるので、被告会社は右合併により解散し、消滅するに至つたものというべきである。従つて本件公訴は刑事訴訟法三三九条一項四号後段によりこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。
(裁判官 寺坂博)